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物には魂が宿る [雑談]

ふと思い出したので書いてみます。

もう十年以上前の話です。
当時まだ20代半ばの頃、ある一台の車に乗ってました。
日産のY32セドリック、珍しいディーゼル車で、ブラックで、当時の私はかなりお気に入りで、仕事にも、遊びにも、すごい可愛がってました。

面白かったのは、勢いよくふみこむと黒煙を噴き出すんです。
高速の入口などでは後続車が居なくなるくらい迷惑をかけてました(笑)

なぜか解らないですが、頑張って走らせてるうちに、私はその車に「おはよう今日もよろしく」「今日もありがとうねぇ」とか毎日声を掛けて、ハンドルをさすってあげるようになってました。
そして、楽しく毎日を過ごしていた時、あることに気付いたんです。
仕事等でもちょこちょこ使っていたんですが、ある日、後輩に車を貸して用事を頼んだ事がありました。
すると、どうでしょう。エンジンがかからなかったと言うではないですか。
私はバッテリーが弱ってるのは薄々感じてましたが、まだ当分大丈夫と思っていたので、おかしいと思って、鍵を返してもらい回してみました。驚いた事に、エンジンがかかるんです!
「そっかそっか、嫌やったんやなよしよし。ごめんね!」
こんなことが何回かありました。
人に貸すと、すねてエンジンがかからない。そんなことにはなんの疑問も感じずに、いつも通り生活してました。
一回車検を受けて、のり初めて二、三年いよいよ寿命がせまって来たなぁと感じてました。
とうとう新しい車に乗り換える日、最後の運転を終えて、「よく頑張ってくれたねほんとに今までありがとう」と言って、いつも通りハンドルをさすって車を降りた時です。
「シュー」っていう音が聞こえて来ました。えっ?と思ってどこからかと探していたら、タイヤから空気が抜けている音でした(T_T)
こんなになるまで我慢して頑張ってくれてたんやなぁ、無理して走ってくれてたんやなぁって、初めて人間や動物以外の物に魂を感じた瞬間でした。
若かったので、今みたいにマメに整備してなかったのもあったでしょうが、今でも色あせない大切な思い出です。
こんな経験をしてしまったので、ワンピースのメリー号の最後の時、めちゃくちゃ泣いてしまったのはここだけの話にしときますね(笑)


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